2014年09月05日

水性木版画の「裏刷り」とは

木版画の刷り方の一つに「裏刷り法」という刷り方があります。
今回の版画展の高垣先生が、作品に使われている技法です。
2013_22_高垣秀光.jpg
この作品でいうと、建物の部分です。

urazuri.jpg
「現代木版画技法」という本に紹介されてますが、本では少しわかりにくかったので、先生に制作写真を送っていただきました。




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先生の仕事道具です。

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彫刻刀を研ぎます。


版木を彫るところは、省略します。


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版に墨をつけ、

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紙を置きます。

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トレペ(当て紙)を当て、バレンで刷ります。色を裏から表に滲み出させるので、浸透性の良い絵の具を使い強い圧力をかけて刷ります。

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表に戻したところ。
裏から薄く絵の具が見えています。これを2版、3版刷り立体感を出します。

この後、表からも刷ります。表裏両面摺りです。両面から刷ることで、複雑な色彩とマチエールを見せることができます。
「木版画」も、とても奥が深〜いんです。
写真ではわかりづらいので、ぜひ展覧会で実物をご覧ください!



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2014年09月04日

木版画について

油性インクと版.JPG
小学校の授業で、みんな一度は経験している「木版画」。
版画といえば、木版画しかないと思われている方もたまにいらっしゃいますが…。

さて、筆塚先生の制作風景第2弾「油性木版」です。
今回も、写真を準備していただきましたので、ざざっとご紹介。
油性インクと版3.jpg
銅版画に比べて、木版画はたくさん版木を準備します。

油性木版_刷り.JPG
版を重ねているところ。

油性木版_インク乾燥.JPG
インクを乾燥させているところ。(写真の上の方に注目)

油性木版_刷り上がり確認中の仕事場.jpg
仕事場で作品を眺めながら、くつろいでるところ。

今回の展覧会では、筆塚先生に「油性木版」高垣先生に「水性木版」を出品していただきます。
同じ木版でもインクの違いでこんなに違うんだということがわかったもらえると思います。

毎回とても大ざっぱな紹介で申し訳ありませんたらーっ(汗)
“百聞は一見にしかず”ということで、詳しくは展覧会をぜひご覧ください。



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2014年09月03日

版画ができるまで

ビュランと版と試刷.jpg
 今回の展覧会で展示する「版画」は、どの技法もアナログで、デジタル印刷にはない質感や深みがあり、とても魅力的です。高い芸術性はもちろんですが、イメージを版画で表現する技術力も必要です。
この度、筆塚先生に作品制作(ビュラン)についてお聞きしました。

ビュラン.jpg

<ビュランとの出会いから>
私の版画の表現の基本になっているのは、ビュランと呼ばれる刀を用いて、彫るという技法です。ビュランは、腐食液を用いて表現するエッチングとは異なり、銅板の上にビュランという刃物で直接彫って表現する方法です。同じ技法で木の上に直接彫って表現する技法は木口木版画と呼ばれます。
この技法は、線の抑揚を使って、表情の異なった幾本もの線を重ねたり、平行に並べたりして陰影やボリュウムを付け絵を作ります。古典的で非常に単純な技法です。現在は紙幣の肖像画や切手、複製を嫌う高度な印刷製版技術として唯一残っている技法です。
彫ることと、描くこと、この共存をこの技法に見付けたとき、何か、昔の友達にでも合ったように、すぐ近しい関係になりました。以来、彫ることが私の表現することの基準となっています。現在は、彫ることを発展させて、版画の特徴の一つである『摺る・刷る』(彫った痕跡を、圧力をかけて紙に刷り取ること)に表現の重要な要素を取り入れたいまでも、絵の題材や扱う技術が変化しても、いつも新しいアイデアを私に教えてくれるのはこの技法の考え方です。

ビュランで銅版に彫る.JPG
とても神経を使う作業です。

銅板_刷.JPG
刷り上がり!

銅版画・木版画すべての技法にいえることですが、一つの作品が出来上がるまで、準備も含めてとても大変な工程です。それを知っているだけでも、作品の見かたがグーンと変わってくるかなぁと思います。


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2014年08月31日

版画展の作家紹介

9月10日から始まる「Three leaves 版画3人展」の3人の作家さんの
昨年「リトルクリスマス-ちいさな版画展」で出品された作品です。
この作品を見て、あ!と思い出していただければ・・・

高垣秀光 TAKAGAKI Hidemitsu
「星の街−578」 木版画(水性木版画、表裏両面摺り)
2013_22_高垣秀光.jpg
1953 広島県生まれ
1980 多摩美術大学大学院修了
1993〜94 文化庁在外研修員としてスペイン(バルセロナ)留学
※この作品についての思いや詳しい画歴はこちらをご覧ください。2013_22_高垣秀光.pdf

筆塚稔尚 FUDEZUKA Toshihisa
「時を盗んだ雲」 銅版画(アクアチント・楮紙)
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1957 香川県生まれ
1981 武蔵野美術大学卒業
1983 東京芸術大学大学院修了
2000〜01 文化庁在外研修員としてポーランド留学
※この作品についての思いや詳しい画歴はこちらをご覧ください。2013_33_筆塚稔尚.pdf

辻 元子 TSUJI Motoko
「浮かびあがるもの1」 リトグラフ
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1973 神奈川県生まれ
1997 女子美術大学卒業
1999 東京芸術大学大学院修了
※この作品についての思いや詳しい画歴はこちらをご覧ください。2013_24_辻元子.pdf

高垣秀光先生・辻元子先生は2013年初参加でした。
そして、筆塚先生は毎回違うパターンの作品で、見るお客様が同じ作家だと気づかれないほどの達人です。
この度の展覧会では、作家さんたちの作品を約15点ずつ展示いたします。
どうぞご期待ください!




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2014年08月27日

版画3人展のお知らせ

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「Three leaves 版画3人展」
高垣秀光(木版)/筆塚稔尚(銅版・木版)/辻元子(リトグラフ)
会期:9月10日(水)〜22日(月)
場所:1F パレット画廊

「リトルクリスマス―小さな版画展」の参加作家から、3名の作家をご紹介いたします。
異なる版種とスタイルで表現された、それぞれの作家たちの世界をどうぞお楽しみください。

今回は、パレット画廊での展示の後、山口市大内御堀の山口日産自動車さんで2日間のみの特別展示をさせていただきます。
<巡回特別展示>
会期:10月4日(土)、5日(日)
場所:山口日産自動車 ポルシェセンター山口1Fショールーム
山口市大内御堀1220-1 TEL083-922-2200

「Seed Project」で蒔いた版画の種から出た芽ということで、「Three leaves(3つの葉)」と名付けました。
多くの方の目に触れ、たくさんのエネルギーをいただけますように・・・
どうぞよろしくお願いいたします



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2014年07月25日

「SAKURAの会」絵画展 開催中!

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7月24日(木)〜28日(月)まで
3Fアートホールの空調の故障のため、急きょ1階パレット画廊で開催しています。

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この「SAKURAの会」は、洋画家の中川十七江先生の生徒さんたちのグループ展です。
左の象の絵は講師中川先生の作品です。

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子供さんの作品もあり、楽しめる展覧会になっています。ぜひご覧ください。
尚、最終日は午後4時までになっていますので、お間違えのないようお願いいたします。

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2014年05月15日

きせつのスケッチ にかいひろこ水彩画展

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本日より、3階パレットアートホールで「きせつのスケッチ にかいひろこ水彩画展」開催中です。

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季節の草花や果物など、身近にあるものを優しく繊細なタッチで描かれています。

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永源山公園!

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線で描かれた動物たちがとてもかわいい!

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小学6年の時に描かれた絵(右)と高校2年の時に描かれた絵(左)も展示してありました。
やっぱり小さい頃からお上手です!!

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ポストカードの販売もされていました。

5月19日(月)16:00までの開催です。
ぜひぜひご覧ください!
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2014年04月24日

河村正之展 −コメント−

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河村正之展のサブタイトルになっている「ものがたり」について、作者のコメントを会場内に掲示して紹介しています。この文章を読むと、河村先生の作品について理解が深まるかなと思います。

「ものがたり」ということ

 私は絵を描いているとき、「絵とは何か」ということを、いつも考えているような気がします。この答の見つからぬ問いの果てに、それはいつも「何を描くのか」と「どう描くのか」の二つに分解していきます。
 この二つはむろん本来無縁なものではなく、一つのことを異なる角度から眺めたにすぎないとも言えるでしょう。したがって両者は本来的に分裂することはありえず、「○○を描くために△△の方法を用いる」という幸福な一致に至るべきなのです。しかし、なかなかそうはいきません。

 私は、圧倒的に美しい実際の風景や人物などを前にして、ただ呆然とそこに立ち尽くすしかないという体験を何度もしてきました。また、現実の事物・世界と全く無関係な、色や形といった造形的要素だけを用いた純粋に抽象的な絵画世界というものを、しばしば夢想します。この両者は等価です。そして共に作品化するのは困難きわまりない。この困難を生き抜くために、様々な方法を試みることになります。今回の個展のタイトルにもちいた「ものがたり」もまたそうした思考上の試みの一つです。

 なぜ、ある観念なりイメージを直接的に実現しえないのか。なぜ言葉や造形的諸要素を伴うことなしには画面上にたちあらわれないのか。さらに言えば、そうした付随的に採用したはずの言葉や形象によって、結果として描かれた図像の世界性がどこか歪んでいってしまうように思われるのはなぜか。

 昨年訪れたペルー、クスコの宗教美術博物館の入口に「絵は文盲のための聖書である」といった意味の文言が高々と掲げられていました。むかし、世界史だか美術史で教わった文言です。宗教美術博物館とはいえ、それが今も美術館の入り口に掲げられているのを見たとき、やはりショックを感じました。まさか今現在もそのようなものとして考えられているというわけではないでしょうが、そこに収められた16世紀以降の植民地に移入された絵画の在りようとしては、確かにそうだったのでしょう。
伝えるべき本質(この場合は聖書の内容)と、それを伝えるメディアとしての絵画。聖書自体が文字・言葉を用いたメディアであると言えますから、描かれた絵は二重のメディウム(媒材)であると言えます。伝えられるべきことは伝えられること、つまりメディアを通過することによってなにがしかの歪み/差異が発生します。
その美術館は撮影禁止ということもあって、ひたすら見ることに専念せざるをえず、同時に多くの事を考えました。そして、植民地(非ヨーロッパ)に移入された、風土や先住民の伝統的な文化とまったく無縁・異質な世界観(キリスト教)の顕現としての絵画に重ね合わせて、やはり非ヨーロッパであるところの日本における異質な文化の移入である絵画(西洋画)のことに思いが及びます。そして芸術と技術、芸術家(アーティスト)と職人(アルティザン)についても。

そうした歴史的な機能からひとまず自由になったはずの今日の絵画は、それ自体を目的とする存在となったはずです。では、絵それ自体とは、すなわち作者のことであるのでしょうか。だとすれば、言うまでもなく、作者とは自明の存在であってはならないはずです。なぜならば自明の存在とは、表現される必然性を持ちえないからです。わからないからこそ、自明でないことこそ、探られ、表現されなければならないのです。その葛藤=ダイナミズムのゆえに魅力=美が発生するのです。圧倒的に美しい事物はただ見つめ続けられるだけでよい。それを発見するのは私であるにしても、その美しさは私が不在でも存在するのです。

すなわち「語るべきものを表現する」のではなく、「探り、表現することによって語られるべきことが見出される」という逆立する思考方法としての「ものがたり」。
手探りの中でやむをえず採用される形や色といった造形的諸要素。意味をまさぐるための言葉や観念。そうしたことを通過してゆく中で伝えられるべきこと、表現されるべきことが生成されてゆき、その生成は自ずと一定のものがたり=歪み/差異を発生させます。私はその歪み/差異こそが絵であり、作者なのだと、少なくともその最も重要な部分なのだと思うのです。

2014.4.16 河村正之
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2014年04月23日

オープニングパーティの様子

河村正之展2日目の夕方から、ささやかなパーティを開催しました。

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先生の知人や同級生・後輩の方、パレットの絵画教室の方や絵を描かれている方など、先生を囲んで和やかなムードの会でした。

作家在廊日はもう過ぎましたが、展覧会は30日まで開催しています。
3年に一度のこの展覧会を、どうぞお見逃しなく!
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2014年04月18日

河村正之展

本日より「河村正之展−ものがたり」が始まりました。
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朝から、先生在廊されています。
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TYSさんの取材もありました。
本日夕方6:20頃からのスーパー編集局で放送予定です。
どうぞご覧ください

展覧会は、今月末30日までです。

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